LED・電飾看板は、夜間や暗い場所でも文字やロゴをはっきり見せられる「光る看板」です。夜間営業の飲食店やサービス業、幹線道路沿いの店舗の集客で力を発揮します。ただし電気工事や設置後のメンテナンスが前提になるため、選ぶときは初期費用だけでなく「電気代+交換費用まで含めた総額」で考えることが大切です。この記事では、LED・電飾看板の種類・費用相場・電気代の考え方・蛍光灯との違い・注意点までを、発注者目線で網羅します。看板全体の種類は看板の種類ガイド、夜間集客の考え方は看板で集客するにはもあわせてどうぞ。
「電飾看板」と「LED看板」の関係
「電飾看板」は光る看板の総称で、光源の違いで分けられます。かつては蛍光灯やネオンが使われていましたが、近年はLEDが主流です。LEDは一般に消費電力を抑えやすく、寿命が長い傾向があるため、電飾看板の光源として広く採用されています。照明方式には、外から照らす「外照式」と、内部から光らせる「内照式」があり、LED内照式が現在の定番です。なお、文字やイラストを管状に光らせる演出性の高いタイプはネオン看板・LEDネオンとして別記事で解説しています。
主なLED・電飾看板の種類
- 内照式ボックス看板:箱状の看板の内部にLEDを入れ、面全体を光らせる。ファサードや袖看板で定番。
- LEDチャンネル文字(箱文字):立体的な文字の内部や周囲を光らせる。高級感が出やすい(立体文字看板の詳細)。発光は正面・背面(バックライト)・側面などの方式があります。
- 外照式看板:看板の外側からスポットライトなどで照らす方式。看板面自体は光らないが、既存看板を照らす形で導入しやすい。器具の選び方・明るさ・電気代・費用は看板照明・スポットライトの選び方で詳しく解説しています。
- LEDビジョン・デジタルサイネージ:映像や複数の情報を表示できる電子看板。固定内容のLED電飾とは別物で、内容をデータで差し替えられます。
- 電飾スタンド看板:店頭に置く可動式で光るタイプ。工事が比較的軽い。
LED・電飾看板の費用相場(目安)
費用は「看板本体+デザイン+施工(+電気工事)」で構成されます。サイズ・素材・照明方式・設置条件で大きく変わるため、以下はあくまで2026年時点の目安です(確定額は現地調査後の見積もりで)。
| 項目/種類 | 費用の目安 |
|---|---|
| 看板本体 | 2万〜18万円程度 |
| デザイン費 | 1万〜10万円程度 |
| 施工・設置費 | 3万〜10万円程度 |
| LEDスタンド看板(小型) | 5万〜10万円程度(同サイズの蛍光灯式の約2倍が目安) |
| LEDチャンネル文字(1m未満) | 10万〜30万円程度 |
| LEDチャンネル文字(1〜2m) | 30万〜70万円程度 |
| LEDチャンネル文字(2m以上・大型) | 70万〜150万円以上 |
LEDは蛍光灯式より初期費用が高めになりやすい一方、後述のとおりランニング面で有利です。費用の全体像は費用相場の記事、内訳の読み方は見積もりの見方も参照してください。
電気代の考え方と計算方法
電気代は、次の式で概算できます。
電気代 = 消費電力(kW) × 点灯時間 × 日数 × 電力単価(円/kWh)
たとえば、ある電飾看板を「1日7時間・月30日」点灯した場合、比較用に電力量料金の目安単価31円/kWh(税込。家電公取協が令和4年7月に改定した目安)で計算すると、蛍光灯式(消費電力40Wクラス)で月およそ260円、LED式(16Wクラス)で月およそ104円です。看板1台あたりで見ると、電気代そのものの差は年間で千円台にとどまることも多く、決して大きくありません。電力単価は事業所の契約で異なり、消費電力・点灯時間でも結果は変わるため、これは比較用の目安としてお考えください。
つまり、LEDの本当の利点は「電気代が劇的に安い」ことよりも、長寿命でランプ交換の手間・費用が減ることにあります。点灯時間が長い店舗ほど差は出やすく、タイマーや調光で運用する方法もあります。
LEDと蛍光灯の違い(目安)
| 項目 | LED | 蛍光灯 |
|---|---|---|
| 寿命(公称の目安) | 約40,000時間 | 約13,000時間前後 |
| 消費電力 | 同じ明るさで蛍光灯の半分以下が目安 | LEDより大きめ |
| 交換の手間 | ランプ交換の頻度は少ない(ただし電源装置・配線・防水部などの点検・保守は必要) | 定期的なランプ交換が必要 |
| 初期費用 | 高めになりやすい | 抑えやすい |
| 発熱・特性 | 低発熱・紫外線がほぼない | 発熱しやすい |
※ 寿命は公称・理論値の目安です。屋外の高温や連続点灯など設置環境で短くなることがあります。消費電力も機種で異なるため「半分以下が目安」と幅で捉えてください。
「総額(初期+ランニング)」で考える
LEDか蛍光灯かは、初期費用だけで決めず、初期費用+電気代+ランプ・部品交換費用+メンテを数年単位の総額で比べるのが合理的です。LEDは初期費用が高めでも、交換頻度が少なく手間が減るため、長く使うほど差が縮まり、逆転することもあります。点灯時間が長い・交換のたびに高所作業が必要、といった条件ほどLEDが有利になりやすいです。
LED・電飾看板のメリット
- 夜間の視認性が高い:暗い時間帯でも店の存在を伝えられ、夜間営業の集客に有効。
- 発色が良い:飲食店では料理や食材を魅力的に見せやすい。
- 省エネ・長寿命の傾向:従来の蛍光灯・ネオンに比べ消費電力を抑えやすく、寿命も長い傾向。
- 演出の自由度:文字を光らせる、面で光らせるなど見せ方の幅が広い。
設置・電気工事の注意点
- 電気工事には資格が必要:配線・電源工事は電気工事士の資格を要する作業です。看板の製作・施工・電気工事まで対応できる会社だと話がスムーズです。
- 屋外配線・防水:屋外設置では防水・防雨の処理が重要です。
- 設置場所の電源容量:既存の電源で足りるか、分電盤からの引き込みが必要かを確認。
- 電源装置(電源ユニット)の寿命:LED素子が長寿命でも、電源装置が先に寿命を迎えることがあります。保証・アフター対応を確認しておくと安心です。
メンテナンスを前提に考える
光る看板は、点灯不良や明るさの低下が「劣化のサイン」になります。定期的な点検で早めに対処すると、突然の不点灯や事故を防げます。点検の考え方は看板の点検・メンテナンスの記事で詳しく解説しています。
屋外設置は許可が必要なことも
LED・電飾看板も屋外広告物にあたり、多くの自治体で設置に許可が必要です。点滅や明るさ(輝度)に関する基準が定められている地域もあります。基準・許可の要否は自治体ごとに異なるため、設置前に必ず管轄自治体のルールを確認しましょう(屋外広告物条例の基礎)。地域によってはそもそも光らせられないこともあります。たとえば金沢市では発光式・反射式の素材や映像表示が禁止される区域があります(石川県・金沢市の条例)。
向いている業種・ケース
夜間営業の飲食店、バー、サービス業、幹線道路沿いの店舗など、暗い時間帯の視認性が売上に直結する業態と相性が良い看板です。逆に日中のみの営業であれば、非電飾でコストを抑える選択も合理的です。業種別の考え方は業種別・看板の選び方もご覧ください。
よくある質問
Q. LEDにすると電気代はどれくらい安くなる?
A. 看板1台では、電気代の差は年間で千円台にとどまることも多く、劇的な節約にはなりにくいです。LEDの利点は電気代より「長寿命で交換の手間・費用が減ること」にあります。
Q. 蛍光灯の看板をLEDに替えられる?
A. 既存の電飾看板の光源をLEDに交換できる場合があります。可否や費用は看板の構造によるため、看板屋に相談してください。
Q. LEDは何年もつ?
A. 公称では約40,000時間が目安ですが、屋外環境や点灯時間で変わります。また電源装置が先に故障することもあるため、保証・アフターの確認が大切です。
まずは地域の看板屋に相談
LED・電飾は電気工事を含むため、製作から施工・電気工事まで対応できる会社を選ぶのが安心です。都道府県から看板屋をさがすで、地域の対応可能な会社を比較してみましょう。どんな看板が合うか迷う場合は看板さがし診断もご活用ください。
関連ガイド:看板の種類ガイド/看板づくりガイド(総合)
※ 本記事は一般的な情報の解説です。費用相場・電気代・寿命は、機種・サイズ・使用条件・電力単価・時期・地域により大きく異なります(記載の数値は2026年時点の一例・目安)。実際のご依頼前に各社の見積もり・各自治体の最新情報をご確認ください。



