柏市で看板を出そうとして「千葉県屋外広告物条例」を調べ始めた方は、いったん止まってください。柏市には県の条例が適用されません。平成20年の中核市移行と同時に市が自前の条例と規則を持ち、窓口も手数料も許可期間も市で決めています。

とくに知っておきたいのは、広告板の許可は3年で、高さ4mを超えるか表示面積10㎡以上の看板は、更新のたびに安全点検報告書が要ることです。看板屋を選ぶ基準がここで変わります。この記事では、柏市で看板を出すときの手続きの要点と、市内で看板屋を探すときに見ておきたい点をまとめます。

まず結論:柏市は「市の条例」で動いている

柏市の屋外広告物は、柏市屋外広告物条例(平成19年12月26日条例第66号)で規制されています。施行は平成20年4月1日で、柏市が中核市になった日と同じです。附則には、それ以前に千葉県条例で受けていた許可を市の許可とみなす経過措置が書かれています。つまり柏市の看板行政は、県から市へ丸ごと引き継がれた形です。

柏市屋外広告物条例 平成19年12月26日 条例第66号(平成20年4月1日施行、最終改正 平成24年)
同 施行規則 平成20年3月28日 規則第58号。許可期間・許可基準・適用除外の数値はここで定められています
柏市屋外広告物条例のしおり 市が公開している解説書(令和8年4月版)。地域区分の図と基準の一覧表が載っています

条例第43条には、千葉県知事の登録を受けた屋外広告業者が届出をすれば柏市内で営業できる特例が書かれています。県と市は別の制度で、業者側も市ごとに登録や届出をしている、ということです。県の数字を当てはめても柏市では正解になりません。

窓口は道路総務課。正副2部、郵送も可

申請先は土木部 道路総務課です。都市計画課ではなく道路の部署が担当している点は、他市から来た人がまず戸惑うところです。

担当課 柏市 土木部 道路総務課(柏市役所分庁舎)
電話 04-7167-1299
FAX 04-7160-1788
提出部数 正副2部
郵送 可。宛名を書いて切手を貼った返信用封筒を同封する

新規申請の必要書類は、申請書、設置場所と付近の見取図、形状・寸法・材料・構造の仕様書と図面、意匠と色彩を示す図面、他の法令の許可が要る場合はその写し、他人の土地や建物に付ける場合の同意書、申請前2か月以内に撮った設置場所のカラー写真です。市の案内では、意匠図にマンセル値(色相・彩度・明度)と各色の使用割合(%)を書くよう求めています。柏の葉の景観重点地区では、後述する広告物協議の写しも要ります。

条例第8条第4項で、市長は申請日から起算して10日以内に許可すると定められています。書類が揃っていれば2週間で許可が下りる計算です。ただし、基準に合わない看板を特例で許可する場合(第9条第2項)は60日です。

市内は4つの「規制地域」に分かれる

条例第7条は、市の区域を第一種から第四種までの規制地域に区分しています。都市計画の用途地域が基本で、そこに風致地区や高速道路沿いといった区域が重なります。

第一種規制地域 風致地区・特別緑地保全地区・生産緑地地区、指定文化財の建造物とその周囲、公園・緑地・墓地・古墳・貝塚とその周囲、河川・湖沼の付近(いずれも周囲50m以内で市長が指定する区域)。印旛手賀沼自然公園特別地域、県立柏の葉公園とその周辺など
第二種規制地域 第一種・第二種低層住居専用地域。常磐自動車道・新大利根橋有料道路の市内全区間とその両側500m以内で道路から見える区域。国道の両側50m以内
第三種規制地域 第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、市街化調整区域
第四種規制地域 上記以外(商業地域・工業地域など)

注意したいのは国道6号・16号沿いです。沿道の商業地でも、路端から50m以内は第二種規制地域に入り、低層住宅地と同じ基準になります。「大きな道路沿いだから大きな看板が出せる」という感覚は柏市では逆です。自分の土地がどの種別かは、市の「都市計画情報配信サービス」で用途地域を調べたうえで、道路総務課に確認してください。

1事業所で出せる看板の合計面積は、地域で20㎡から上限なしまで

規則別表第2の共通基準に、1つの事業所に出すすべての看板の表示面積の合計の上限が定められています。

第一種規制地域 20㎡(学校・病院・診療所・社会福祉施設は30㎡)
第二種規制地域 30㎡
第三種規制地域 200㎡
第四種規制地域 上限なし

共通基準にはもうひとつ、地色に黒や原色(赤・青・黄)を使って景観を害するものは不可、蛍光塗料・発光塗料・反射の強い材料も不可、という規定があります。登録商標の部分は除かれます。ロゴの色は守れても、地色を真っ赤にした看板は柏市では通りません。

看板の種類ごとの数値基準

種類ごとの基準も規制地域で変わります。発注前に押さえておきたいものを抜き出します。

野立て看板・ポール看板(独立広告物)

第一種 1面3㎡以下、地上から上端まで5m以下、1事業所1個
第二種 1面3㎡以下、高さ7m以下、1事業所3個以下
第三種 1面15㎡以下、高さ13m以下
第四種 1面30㎡以下、高さ15m以下

全地域共通で、他の看板との距離は5m以上あけます。自分の事業所以外の場所に出す第三者広告は、鉄道の敷地から20m以上離す必要があります。

壁面看板

第一種・第二種では、1壁面に出す看板の合計がその壁面の面積の5分の1以下、かつ5㎡以下(軒の高さが7mを超える建物は10㎡以下)です。第三種・第四種は壁面の5分の1以下だけが条件になります。全地域で、窓をふさがないこと(広告幕は例外)、壁面から突き出さないことが条件です。

突き出し看板(袖看板)

第一種・第二種では1面3㎡以下、上端が軒の高さを超えない、突き出し幅1m以下、1壁面につき1事業所1個です。第三種・第四種では軒の高さと突き出し幅1mの条件だけになります。

屋上看板

第一種規制地域では屋上看板は出せません(学校等を除く)。第二種は壁面の最大投影面積の5分の1以下かつ5㎡(軒高7m超は10㎡)以下で、高さは軒の高さの3分の4まで。第三種は5分の1以下かつ50㎡以下で軒の高さの3分の5まで、第四種は5分の1以下で3分の5までです。

許可は広告板なら3年。4m超・10㎡以上は更新時に安全点検報告書

条例第8条第2項で許可の有効期間は「3年以内で規則で定める期間」とされ、規則別表第1で種類ごとに決まっています。

広告板・広告塔、アーチ 3年以内
自動車の広告、電柱類の広告 1年以内
はり札・立看板(紙貼りで取り外し容易なもの以外) 1年以内
はり紙・ポスター、旗・のぼり・広告幕、アドバルーン、紙貼りのはり札・立看板 1月以内

更新は許可期間満了の14日前までに、2か月以内に撮ったカラー写真を添えて申請します(規則第2条第2項)。ここで効いてくるのが規則第7条の「大規模な広告物等」の規模です。

地上から上端までの高さ 4mを超えるもの
表示面積 10㎡以上のもの

どちらかに当たる看板は、更新のときに申請前2か月以内に実施した安全点検の報告書が必要です。さらに条例第10条で、この規模の看板は市の登録を受けた屋外広告業者、業務主任者の資格を持つ者、1級建築士、ネオン工事の特種電気工事資格者のいずれかに管理させることが義務づけられています。看板の持ち主が自分で管理者になることはできません。契約する看板屋がその管理者になれるかどうかは、見積もりの段階で聞いておくべきことです。

手数料の実額

条例第49条・別表第1に定められた許可申請手数料です。新規・変更の許可のときに納めます。

広告板・広告塔など(1個につき)
表示面積1㎡未満 760円
1㎡以上2㎡未満 1,150円
2㎡以上5㎡未満 2,000円
5㎡以上 5㎡までごとに2,000円
その他
はり紙・ポスター 50枚につき380円
はり札等 10枚につき380円
立看板等 1枚380円
旗・のぼり・横断幕などの広告幕 1枚380円
アーチ 1基4,000円
アドバルーン 1個2,000円
自動車の広告 1個1,150円
電柱類の広告 1㎡までごとに380円

たとえば店舗の壁面に6㎡の看板を出すなら4,000円、20㎡の野立て看板なら8,000円です。5㎡刻みで加算されるので、大きい看板ほど他市より高めに出ます。それでも費用の本体は看板の制作費と、4m超・10㎡以上なら3年ごとの点検費用です。見積もりを見るときは、そこを分けて確認してください。

自分の店の看板は「合計15㎡・20㎡以下」なら許可不要

自分の事業所に自分の店名や事業内容を出す自家用広告物は、規則別表第3の基準に収まっていれば許可を受けずに出せます(条例第14条第4項第1号)。市が公開している「自家用広告物の適用除外基準」の要点です。

1事業所あたりの表示合計面積 第一種・第二種で15㎡以下、第三種・第四種で20㎡以下
野立て看板 第一種 3㎡・高さ5m・1個/第二種 3㎡・7m・3個以下/第三種 10㎡・13m/第四種 10㎡・15m
壁面看板 許可基準と同じ(第一種・第二種は壁面の1/5かつ5㎡、第三種・第四種は1/5)
屋上看板 第一種は不可
色彩 地色に黒・原色を使って景観を害さないこと。蛍光・発光塗料は不可

合計を超えると許可申請が必要になります。壁面看板と袖看板と窓のシートを足していくと意外と超えるので、看板屋に「合計で何㎡になるか」を最初に出してもらってください。なお許可が要らない看板でも、条例第17条の管理義務(良好な状態に保つこと)は適用されます。

柏の葉は「景観重点地区」。市の色彩基準もある

柏市は条例第2条で、看板の規制を柏市景観計画に即して行うと定めています。実務上、意匠の審査は景観計画の基準で見られると考えてください。

景観計画には看板の色彩基準があります。表示面積の2分の1以上を占める色について、マンセル表色系の彩度が、赤・橙・黄系は10以下、黄緑・緑系は8以下、青・紫・青緑・赤紫系は6以下でなければなりません(登録商標の部分は除く)。地域別のガイドラインでは、住宅系地域や沿道系地域で「落ち着いたデザイン」「まち並みに配慮した色彩」を求めています。担当は住環境再生課まちづくりデザイン担当(04-7167-2528)です。

もうひとつが景観重点地区です。柏の葉キャンパス駅周辺、柏の葉2号調整池周辺、柏の葉一丁目、柏の葉三丁目、柏の葉三丁目第二の5地区では、看板の設置・表示・色の変更の前に柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)との広告物協議が必要で、その写しを許可申請に添えます。柏の葉で出店する場合は、看板の図面が固まる前に協議を始めないと日程が合いません。

このほか、大規模な看板は建築基準法の工作物確認申請や柏市景観まちづくり条例の届出(着手30日前)が別に要ることがあり、通路の上空にかかる看板は道路占用許可も必要です。市は令和6年に「デジタルサイネージ景観配慮の手引き」も出しており、市全域が対象です。LEDビジョンを考えている場合は先に読んでおいてください。

看板を「付けてはいけない物件」と「出してはいけない看板」

条例第6条は看板を付けてはいけない禁止物件を10号で定めています。橋・歩道橋・トンネル・高架構造物・道路の分離帯、石垣・擁壁、街路樹・保存樹、信号機・道路標識・防護柵、電柱・街灯柱、消火栓・火災報知機、郵便ポスト・公衆電話ボックス・路上変電塔、送電塔・照明塔、煙突・ガスタンク・水道タンク、銅像・記念碑です。さらに電柱類へのはり紙・はり札・広告旗・立看板と、道路の路面への表示も禁止です。

条例第5条の禁止広告物は、許可の有無に関係なく出しておけない看板です。著しく汚れて退色したもの、破損・老朽したもの、倒壊や落下のおそれがあるもの、信号機や道路標識に似ているもの、交通の安全を妨げるものが該当します。古くなった看板は、それ自体が条例違反になります。

違反した場合、市長は表示の停止や除却を命じることができ(第21条)、禁止物件への表示と措置命令違反は50万円以下の罰金(第51条)です。看板が不要になったときは遅滞なく除却し、除却の届出も必要です(第18条)。

柏市で看板屋を選ぶときに見ること

当サイトでは柏市内の看板会社を7社掲載しています(2026年8月時点)。会社を比べるときは、次の点を見てください。

  • 柏市に屋外広告業の登録(または届出)があるか。柏市内で看板業を営むには市長の登録(5年・10,000円)が要ります。千葉県知事の登録があれば届出で済みますが、いずれも無い業者は条例違反です(無登録営業は30万円以下の罰金)
  • 4m超・10㎡以上の看板の「管理者」になれるか。市の登録業者か、業務主任者の資格者がいる会社なら、条例第10条の管理者をそのまま任せられます
  • 安全点検報告書を自社で作れるか。3年ごとの更新で報告書が要ります。点検を外注する会社だと、更新のたびに別の業者を探すことになります
  • 柏市の条例で申請した実績があるか。県条例が主戦場の会社だと、柏市の規制地域の判定や色彩基準に慣れていないことがあります
  • 柏の葉の実績があるか。店が景観重点地区にある場合は、UDCKとの協議を経験している会社でないと手戻りが出ます

見積もりを取るときは2社以上から取り、「申請の代行費用」と「更新時の点検費用」が含まれているかを必ず確認してください。ここが別料金の会社と込みの会社があり、3年後の総額が変わります。

よくある質問

Q. 柏市は千葉県屋外広告物条例の対象ではないのですか?
A. 対象ではありません。中核市として柏市屋外広告物条例(平成19年条例第66号)が適用されます。県の条例が適用される市町村との違いは千葉県の屋外広告物条例の記事で整理しています。

Q. 自分の店の看板でも許可が要りますか?
A. 1事業所あたりの表示合計面積が第一種・第二種で15㎡以下、第三種・第四種で20㎡以下など、規則別表第3の基準に収まっていれば許可不要です。超えると許可が要ります。

Q. 許可期間は何年ですか?
A. 広告板・広告塔とアーチは3年以内、自動車と電柱の広告は1年以内、はり紙・のぼり・広告幕は1か月以内です。更新は満了の14日前までに申請します。

Q. 高さ4mや10㎡というのは何の基準ですか?
A. 規則第7条の「大規模な広告物等」の規模です。地上から看板の上端まで4mを超えるか、表示面積が10㎡以上だと、更新時に安全点検報告書が必要で、有資格の管理者を置く義務もあります。

Q. 柏市内に希望する会社が見つからない場合は?
A. 隣の松戸市に6社、船橋市に10社の掲載があります。ただし市外の会社は柏市への登録または届出が必要で、条例にも不慣れなことがあるので、登録の有無と申請実績を確認してください。

まとめ

柏市で看板を出すときの要点は5つです。

  • 千葉県条例ではなく柏市の独自条例。窓口は道路総務課(04-7167-1299)、正副2部、郵送可、許可は申請から10日以内
  • 市内は第一種〜第四種の規制地域に分かれ、国道沿い50mと常磐道沿い500mは第二種で基準が厳しい
  • 広告板の許可は3年。高さ4m超か10㎡以上は更新時に安全点検報告書と有資格の管理者が必須
  • 自家看板は合計15㎡(第三種・第四種は20㎡)以下なら許可不要
  • 柏の葉の景観重点地区はUDCKとの協議が先。市全域で色彩の彩度基準がある

手続きの全体像さえ掴めていれば、あとは看板屋との相談で進みます。市内と周辺の掲載店は千葉県の看板屋一覧から探せます。

※ 掲載内容は2026年8月時点の情報です。条例の運用・許可期間・手数料・区域の指定などは変更される場合があります。実際の申請にあたっては、柏市道路総務課の最新の案内と「柏市屋外広告物条例のしおり」を必ずご確認ください。